2009-01-01から1年間の記事一覧

デミアン ヘルマン・ヘッセ

「デミアン」は1919年に世に出た「問題作」である。 これはヘッセ自身の自伝とも言うべき書であり、 主人公シンクレールと同じ「エーミール・シンクレール」作として 匿名で出版された。「主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら 真の自…

海からの贈り物 アン・モロウ・リンドバーグ

アン・モロウ・リンドバーグって誰?って思う人が多い のではないだろうか。単葉単発単座のプロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功。「翼よ、あれがパリの灯だ!」で有名な チャールズ・リンドバーグの妻である。アンは…

マダム・エドワルダ ジョルジュ・バタイユ

マダム・エドワルダ−バタイユ小説の最高傑作と言われている。これについては、コメントを控えようと思う。 とても短い小説なので、実際に読んでみて欲しい。 バタイユはほとんど読んでいないが、最高傑作と言われても おかしくない作品と思われた。その他に…

Noa Noa ポール・ゴーギャン

Noa Noa とは「かぐわしい香り」という様な意味のタヒチ語である。 ゴーギャンの作品の多くがタヒチの影響を強く受けていることは 有名である。ゴーギャンがヨーロッパ生活に見切りをつけてフランス領の タヒチへ辿り着いたのは、1891年のことである。 タヒ…

デュシャンは語る マルセル・デュシャン ピエール・カバンヌ

マルセル・デュシャンといえば、「泉」を 思い浮かべる方も多いのではないだろうか。 ともかく、20世紀の美術に多大な影響を与えた 芸術家であることは疑う余地がない。しかし、絵画を描いていたのは1912年頃までであり、 芸術家達から冷たい仕打ちを…

空の青み G.バタイユ

バタイユといえば、エログロ作家だと思い込んで、 ずっと倦厭してきた。 でも、いざ読んでみると面白い。はっきり言って 私はバタイユが好きになった。この作品「空の青み」は、バタイユの作品の中では 異色で地味な作品とされている。内容は、主人公が様々…