日本の美を求めて 東山魁夷

東山魁夷-私の最も好きな日本画家である。
中でも、欧州を旅行した際の一連の作品が好きだ。
中学生の頃だったと思う。美術館で、
「緑のハイデンベルグ」という作品を見てファンになった。

本書には魁夷の随筆と講演が計5編綴られている。

少年の日の思い出の景色
唐招提寺障壁画執筆の裏話
ドイツでのドイツ語による講演の日本語訳

等々。

日本の風景を深く愛し、同時に西洋文化(外国文化)も
取り入れるそのスタンスは日本の芸術の歴史そのものである。

魁夷によれば、日本の芸術は強く、複雑な縄文文化
丸く、簡潔な弥生文化が基礎となっており、
縄文文化弥生文化が包んでいる。

魁夷の書く日本語はとても美しい。
画家としての美意識が書に現れていると思った。