空の青み G.バタイユ

バタイユといえば、エログロ作家だと思い込んで、
ずっと倦厭してきた。
でも、いざ読んでみると面白い。はっきり言って
私はバタイユが好きになった。

この作品「空の青み」は、バタイユの作品の中では
異色で地味な作品とされている。

内容は、主人公が様々な女性とのいわゆる不倫を重ね、
その異常な日常を描いた作品である。
主人公は女に愛と死を重ねる−という矛盾を抱えている。

バタイユといえばヘーゲルニーチェという相反するものを
結び付けようとしたことでも知られている。
バタイユにとって、自己矛盾は重要であり、それ故に
物語の柱に据えられたのであろう。