デュシャンは語る マルセル・デュシャン ピエール・カバンヌ

マルセル・デュシャンといえば、「泉」を
思い浮かべる方も多いのではないだろうか。
ともかく、20世紀の美術に多大な影響を与えた
芸術家であることは疑う余地がない。

しかし、絵画を描いていたのは1912年頃までであり、
芸術家達から冷たい仕打ちを受けたのがきっかけで
絵画制作を止めたと語っている。
その後はタブローを否定しているようにさえ見受けられる。
デュシャンがその後数多く発表した作品は、
「Ready-made(既製品)」である。
これは、既製品に少し手を加えた作品群を指し、デュシャン自身
気に入っていたものである。

デュシャンはまた、「大ガラス」と呼ばれる未完の作品を作成した。
これは、高さ約2.7メートルの2枚の透明ガラスの間に、油彩、鉛の箔、場所によっては「ほこり」で色付けをした作品である。
その東京バージョンは、東京大学教養学部美術博物館で常設展示
されているので、是非見に行きたいものである。