青少年のための自殺学入門 寺山修二

最初に断っておきますが、私は自殺を勧めるわけではありません。

「死ぬ自由くらいは自分で創造しよう!」
寺山は本書でこう言っている。

「自殺」の定義として、満ち足りているにもかかわらず、突然
ふと死にたくなるものを自殺としている。その典型的な例として
三島由紀夫を挙げている。逆に、何かを苦にしての死は、「他殺」
として定義している。つまり、自殺は贅沢なものなのである。

いかに死ぬか、これは裏を返せばいかに生きるかと同じことのように
思えてくる。寺山は「死も実存」と言う。

本書の解説は柳美里が書いているが、彼女は、
「寺山は一度も自殺を試みたことはないと思う」と書いていた。
私もそう思う。