2008-07-26 存在の耐えられない軽さ ミラン・クンデラ 普通の小説は、誰かの目を通して、時の流れに沿って 書かれるものである。だが、これは違う。 主人公が章によって異なるし、それに伴って時が逆行する。 非常に構成に凝った作品である。ミラン・クンデラはチェコスロバキアの作家である。 共産党体制下の閉塞した生活を描いた長編小説『冗談』でチェコスロヴァキアを代表する作家となる。 1984年発表の『存在の耐えられない軽さ』が世界的なベストセラーになり、フィリップ・カウフマンによって映画化もされた。 本書は「プラハの春」を時代背景としている。永劫回帰の世界観では存在は重く、一度限りの人生での存在は軽い。 これは、果たして本当だろうか?