存在の耐えられない軽さ ミラン・クンデラ

普通の小説は、誰かの目を通して、時の流れに沿って
書かれるものである。だが、これは違う。
主人公が章によって異なるし、それに伴って時が逆行する。
非常に構成に凝った作品である。

ミラン・クンデラチェコスロバキアの作家である。
共産党体制下の閉塞した生活を描いた長編小説『冗談』でチェコスロヴァキアを代表する作家となる。
1984年発表の『存在の耐えられない軽さ』が世界的なベストセラーになり、フィリップ・カウフマンによって映画化もされた。
本書は「プラハの春」を時代背景としている。

永劫回帰の世界観では存在は重く、一度限りの人生での存在は軽い。
これは、果たして本当だろうか?