アンナ・カレーニナ(中)(下) トルストイ

再開したキチイとリョーヴィンは皆に祝福されて結婚する。

一方、アンナは夫カレーニンの離婚の申し出を息子への愛から
拒絶し、ヴロンスキーと外国旅行へ旅立つ。
帰国したヴロンスキーは自分の領地の農地経営に乗り出すが、
それは、機械化された見事に近代的なものであった。

ヴロンスキーの愛がさめつつあることを悟ったアンナは、彼と
ともにモスクワに旅立つが、社交界を捨てたアンナにとって、
モスクワでの生活は辛いものであった。アンナは絶えずいらいらし、
ヴロンスキーと主導権争いを繰り返してヴロンスキーの愛を失って
いった。ついに嫉妬と罪の意識に絶えられず、混乱したアンナは、
ヴロンスキーに復習するために悲惨な鉄道自殺を遂げる。

無神論者であるリョーヴィンは、長い思索の末、ついに自分なりの
信仰を見出す。

この作品を執筆中にトルストイは母親代わりの婦人と、自分の妻を
亡くし、死という深刻な人生の苦悩を味わっている。その姿は
リョーヴィンに投影されているように見える。