青春ピカソ 岡本太郎

この本は、岡本太郎ピカソの作品を解説したものである。
しかし、ただ解説したのではない。この本のいたるところには
芸術に対する岡本太郎の姿勢がちりばめられている。

岡本太郎の母は作家の岡本かの子。父は漫画家の岡本一平
生涯独身を通したが、秘書であった岡本敏子(故人)を養女にした。事実上の妻である敏子は太郎没後、多くの著作を通して太郎の再評価
に貢献した。また、行方不明であった大作「明日の神話」発見にも
貢献した。

岡本太郎ピカソの作品との出会いから始まり、ピカソへの挑戦を
経てピカソ作品の解説に至る。ピカソが貧乏なため、安い絵の具で
ある「青」を多用した青の時代の逸話は面白かった。
最後にはピカソ岡本太郎の対話が収録されている。

岡本太郎の代表作といわれる太陽の塔ピカソの絵に似ているという指摘がある(ヴァロリスの平和の殿堂のための戦争 1952年)。
このことからも、ピカソ岡本太郎に多大な影響を与えたことは
明らかである。そういった意味でも是非一読していただきたい。