自我と無意識 C.G.ユング

ユングが多年にわたる経験から得た所見をできるだけ平易に
解説した本。ペルソナ、アニマ、アニムス、自己といったユング
心理学の基礎概念について、丹念に説明してある。

本書の中で、ユングは人類には共通の無意識が存在すると
指摘している。それを集合的無意識と呼んでいる。
つまり、「どこにでもある衝動や性質や観念やイメージ」
といったものは集合的無意識であるとしているのである。
ユングは宗教的なイメージも集合的無意識に含めているが、
私はそれは謎だと思っている。無神論者にも同じイメージがある
とは思えない。

意識に対する無意識の作用においては、ペルソナの概念を用いて
それらを説明し、個性化においてはアニマとアニムスさらに
マナ人格の概念を用いてそれを説明している。