2008-03-13 彼らの流儀 沢木耕太郎 コラムでもなく、エッセイでもなく、ノンフィクションでもなく、 小説でもない―そんな33の短編集。 それぞれの登場人物には登場人物なりの「流儀」が描き出されて いる。この作品の素晴らしいことは、「起承転結」ですべての短編が 書かれていること。 そして、特に「転」の飛躍が見事である。それを、きれいに「結」 で受けているのである。沢木耕太郎という人の文章の巧さがよく出た作品だと思う。 また、沢木耕太郎のレンズを通してみる世界がなんとも 心地よい。そこには、作者の暖かいまなざしがある。