百頭女 マックス・エルンスト

「ひゃくとうじょ」って読むらしい。
マックス・エルンストはドイツ出身のシュルレアリズムの
代表的な作家であり、コラージュやフロッタージュといった
新たな技法を取り入れた。
緒言ではシュルレアリズムの思想家、アンドレブルトン
寄稿している。

本書はマックス・エルンストの文学による絵画であり、絵画による
文学である。いたるところに、「惑乱、私の妹、百頭女」という
語がでてくる。
このコラージュロマンはまさに20世紀最大の奇書といってよい
と思う。ページをめくるたびに読者を暗黒の夢の世界へと引き摺り
込んでゆく。現実のようで、現実でないようなこの世界は、随所に
効果的にコラージュされた機械や円筒や瓶や幾何学的な図形による。