雪 オルハン・パムク

日本ではあまりなじみのないオルハン・パムクについて少々
解説したい。
本書はオルハン・パムクの7作目の作品であり、最初で最後の
政治小説と言われている。
代表作としては他に「わたしの名は紅」がある。2007年度
ノーベル文学賞受賞。

物語の舞台はトルコの辺境で雪に閉ざされた町カルス。
この町では少女達が次々と謎の連続自殺を遂げていた。雇われ
記者で無神論者のKaは、事件を取材しにカルスへ赴く。
しかし、本当はもう一つの目的があった。学生時代の憧れの女性
イペッキが離婚してカルスにいることを知ったのだ。Kaは彼女に
結婚を申し込む。
おりしもカルスではイスラム過激派に対抗する軍部のクーデター
が起こり、Kaも否応なく事件に巻き込まれていく。