ナジャ アンドレ・ブルトン

ブルトンが謎めいた女性、ナジャに会いたくて仕方がない
といった話。次第に二人の間はギクシャクしていき、最後に
ナジャは狂ってしまう。それでもブルトンにとっては特別な
思い入れがあったと思われる。
 この、ナジャという女性、とってもシュール。
そもそもナジャというのは本名ではなく、「希望という意味の
ロシア語(ナディエージダ)の始まり」からとったもの。
この語感がなんとも心地よい。
 本書は、マックスエルンストの絵画やパリの街角の写真が
いたるところに挿入されていて、趣があってとてもよかった。
「私は何者か?」という問いは、なかなか本質的で奥が深い。